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第四章 決戦

「おい、見てみろよ。あいつらこっちに向かってくるぜ」
戦艦ラドロフのコクピットで男が話した。話しかけられた男はすこしの間、無言で居たがやがてにやりと不敵な笑みを浮かべた。
「うれしそうだな、え?戦闘狂のお前にとっては最高の吉報だろうな、ヘイデン」
「あぁ、こんどこそガンダムを落とせる・・」
 「できるなら落として欲しくないね、ヘイデン」
ヘイデンの後ろから男が話しかけた。
「わたしはできるならガンダムは持ち帰って欲しいといったのだがね。今の言い方を聞くとまるで最初から落とす気まんまんじゃないか」
「もちろん、捕獲も試みますよ、ギース艦長」
そういったヘイデンの顔は機械的な笑みを浮かべていた。
「もう、モビルスーツに乗る準備をしていたほうがいい、ヘイデン。ブローフ、君は引き続き敵を見張っていたまえ」
そういわれるとヘイデンはコクピットをすぐに出て行った。

 「だから無理ですって!」
ペルセウスのコクピットではたった今怒鳴りあいが始まったところだった。
「君しかいないのだぞ!コレは重要な任務なのだ!」
リブルの大声が響いた。しかし、それに負けないほどの声でカカファンは怒鳴った。
「だから!わたしはモビルスーツに乗ったことが無いって言ってるでしょ!だからポッドの回収は僕にはできないんです!」
「ここにはモビルスールに乗れるものがいないんだ!だから君に行ってもらわないとこまる!」
「僕じゃなくても誰か居るじゃないですか!なんで僕なんですか!」
カカファンの目にはすでに光るものがたまっていた。
「そりゃ・・その・・ええと・・・とにかく君しかいない!私はここで指揮を取らないといけないし」
 この怒鳴りあいにうんざりしたロビアが二人止めて言った。
「二人ともやめるんだ!私が行こう!」
そのロビアの言葉でリブルは『そんな!』と悲鳴じみた声をだした。一方、カカファンは『ありがとう!』を連呼していた。
 「私がいく、モビルスーツの操縦もできるし、文句ないだろう?」
「大有りですよ!今彼方に何かあったら困ります!」
「私が行かなかったら始まりさえしないだろう!?」
そういうとロビアはすぐにコクピットを出て行った。

 しばらくすると肉眼で小さいながらもポッドを確認できる場所まできた。
「・・準備はいいですか?ロビア市長」
リブルがすこし不満そうな顔で言い放った。
モニターの向こうのロビアはすこしほほえんでいた。
「準備は大丈夫ですよ。では、行って来ます」
ロビアがそういうとモニターがぷつりと消えた。
 すぐに目の前にガンダムの姿が見えた。そこでアスフはすこし違和感を感じた。
「なんか、この前とすこし装備がちがいません?」
アスフがリブルにそう言うとリブルはすこし自慢げな顔した。
「ここの格納庫にあれ専用の装備があったんだよ。もし戦闘になってもこの前のようにはいかないだろうね」
 リブルがそういってるうちにガンダムはポッドを両手でしっかりつかんでいた。
「ポッドは捕まえた。これより帰還する」
ロビアのこの一言でコクピット内が安堵の雰囲気に包まれた。
「敵艦はまだ遠いか?」
リブルが船員の一人に話しかけた。
「はい、まだ肉眼で見える距離では・・・あれ?」
「どうした?」
「いや、さっきより速度が断然はやくなってる・・!」
「本当か!?聞こえてましたか市長」
「あぁ、聞こえて・・・!」
 一瞬だった。光る網がガンダムの体を包み込んだ。そして三機のモビルスーツがどこからともなく姿を現した。
「何!?いったいどこから・・・!」
ロビアの声はペルセウスのコクピット内にも聞こえていた。
「答えは簡単さ」
敵のパイロットの声が聞こえた。アスフはその声に聞き覚えがあった。セルスで戦ったモビルスーツのパイロットの声だ。
「この機体モストはインビジブルシステムを搭載している」
「擬態装甲か・・」

ロビアは即座にガンダムのブースター出力を上げた。
「無駄だよ。もう逃げられない・・そちらの戦艦もな」
ヘイデンの言うとおりガンダムは網から逃れることができなかった。
「くっ!動けない・・!」
「お前ら二機はガンダムを艦に連れて行け。」
ヘイデンの命令で残りのモストが動き出した。二機のモストはガンダムを抱えて遠くにかすかに見え出した母艦の方へ動き出した。
「敵を行かせるな!ミサイル発射!」
リブルの一声がペルセウスの中にこだました。しかしミサイルは発射されなかった。
「ガンダムにもあたります!艦長!」
「え!まじ?どうすればいいんだ・・」
リブルが混乱している内にヘイデンのモビルスーツ、モストがペルセウスの底部にもぐこんだ。
「何もしてこないのか・・?まぁ、いい」
モストのビームライフルが性格にミサイルの発射口を捉えた。
「しまった・・!船底ミサイルを全門ほ打ち込め!」
「駄目です!今の攻撃でミサイル全門破壊されました。迎撃用バルカンまで!」
「くっ!シールド展開だ!急げッ!」
ペルセウスの周りに薄いピンク色のシールドが張り巡らされた。
「いつまで持つかな・・そのシールド・・・!」
またもヘイデンのモビルスーツからビームライフルが放たれた。
「このままではもちません!ガンダムの方も敵艦の近くまで・・」
「くそっ!どうすれば・・」
「か、艦長・・モビルスーツの反応が・・!」
「くっ・・!次から次へとッ!」
「違います!連邦軍のモビルスーツです!」

「くそ・・・!動けない!」

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